どうせパソコンを買うのなら高性能で何でも出来るのがいい。と考えてしまいがちですが、そういった機種は得てして高額で軽量ハイスペック。または安価だけど重量もありモバイルには向かないかのどちらかです。
パソコン購入に迷っていつまでも執筆作業が進まないのは時間がもったいないですね。
小説家にとって必要なスペックを割り切って探しましょう。
目次
軽い!
普段は自宅で執筆していても、気分転換にカフェやファミレス、図書館など場所を変えたいときもありますね。
「隙間時間を使って執筆するためにも毎日持ち歩くぞ!」と気合が入っている方も多いはず。
持ち運ぶにあたって最大の難関は重量です。
1kgから1.5kgには抑えたいところ。
※1kg以下は軽量を重視した高価なハイスペックか、性能を徹底的に削ったロースペックのどちらかなので今回は除外しています。
起動が早い!
「さぁ、執筆するぞ」電源ボタンを押して、パソコンが起動するのに1分経過、2分経過……5分経ってもまだ起動処理中。
パソコンを使っていると、こんな経験が誰しもあるはず。
パソコンの起動を早くするには「SSD」を搭載している機種を選ぶことが重要です。
「SSD」とはパソコンのデータを保存している部品です。
ハードディスク(HDD)なら知っている方は多いと思いますが、同じ役割をしているパーツです。
近年はパソコン以外に、テレビの録画用にハードディスクレコーダー、PS4などゲーム機にもハードディスクが搭載されていますね。
SSDはハードディスクよりも高価で保存できるデータ容量も少ないですが、とても高速にデータの読み書きができます。
一度SSD搭載パソコンを使うと、二度とハードディスクのパソコンは使いたくない!と思うほどパソコンの起動が早くなります。
パソコンに入れている常駐ソフトにもよりますが、多くの場合30秒、60秒かからずに完全に起動します。
またメモリが少ないパソコンの場合、ファイルキャッシュ場所としてもSSDが使われるので、パソコン全体の速度が早くなったと体感する方も多いです。
個人的にSSD搭載機種であることが最重要だと思っています。
容量は執筆と、それに関連する資料だけに焦点をあてれば120GBあれば十分です。
- 容量 120GB
物書き用スペックとしての最低ラインです。
執筆作業に関連するものだけを保存するには十分です。
容量64GBといった製品がたまにありますが、容量が少なすぎます。それらはデータのやりくりが出来る中級者以上の方でないと難しいのでやめておきましょう。 - 容量 256GB
物書き用スペックとしては余裕のある容量です。
執筆作業や関連する資料の保存で容量不足で困ることはないでしょう。
ただメインパソコンとして大量の写真やHD動画などを保存し始めると容量が足りなくなることもあります。 - 容量 512GB以上
メインパソコンとして何でもかんでも保存できます。
もっとも多くの容量を使うのはHD動画です。
動画を保存しすぎて容量不足になったら外付けHDDを買い足すのがいいでしょう。
長時間バッテリー
大きなACアダプターを持ち運ぶのは、やはり辛い。
6時間以上は欲しいところ。
ディスプレイサイズ
11インチ
持ち運び重視。自宅で使うには少々、画面の小ささを感じます。
不満を感じたら自宅は別売りのディスプレイに接続して大画面で使う手段も取れます。
13インチ
外でも家でも、それなりの画面サイズで使えます。
悪く言えば中途半端。
しかし別売りのディスプレイも使わず、家でも外でも使うなら、これが一番無難です。
15インチ
持ち運ぶには不向きです。
自宅内だけで使うことを想定している重量級ノートパソコンに多いサイズです。
他のスペックは?
CPU(パソコンの頭脳。頭の回転の速さ)
CPUはCeleron(セレロン)以上なら問題ないです。
Celeronは廉価版CPUの代名詞にもなっていますが、最近はマルチコアになっていてモバイルPC(物書きさん用スペック)としては十分な性能です。
性能の高い順で言うと
- Core i7(コア・アイ・セブン)
Ryzen 7(ライゼン・セブン) - Core i5(コア・アイ・ファイブ)
Ryzen 5(ライゼン・ファイブ) - Core i3(コア・アイ・スリー)
- Pentium(ペンティアム)
- Celeron(セレロン)
- Atom(アトム)、AMD-A9など
となっています。
メモリ(作業領域の大きさ)
メモリは最低4GBを選びましょう。使用するソフトはテキストエディタ、ワープロソフト、ブラウザぐらいなので十分です。
予算がゆるす方は8GBを選択しておくと、たくさんのソフトを同時に起動した時もパソコンの動作が遅くならずに済みます。
- メモリ 4GB
物書き用パソコンとしての最低スペック。
メモリ2GB、3GBではWindows(ウィンドウズ)の動作自体がもたつく事が多くパソコンを触るのが嫌になってしまいます。 - メモリ 8GB
理想的なスペックです。
8GBあればメモリ不足に陥ることは滅多にありません。 - メモリ 16GB以上
クリエイター向けです。
動画編集や3Dプログラミング、PhotoshopなどのAdobe系と言われる強力な画像編集ソフトを使う人達が求める容量です。
お勧めパソコン
上記を踏まえて、お勧めパソコンをリストアップしてみました。
自宅専用のコスパ抜群15インチ
mouse F5-celeron-E
物書き用マシンとして十分なスペックを備えつつも価格も安い。
コスパに優れたマシンだと思います。
CPUはセレロン。
メモリ8GBで理想的な容量。
SSDは128GBなので執筆の資料の保存には必要十分なサイズ。
重量は約2.1kgのため、持ち運びは難しいでしょう。
車移動が主であれば問題ないでしょうが、電車移動の場合2kgは非常に辛い重さです。
バッテリーは約7.2時間ですが、コンセントが有る自宅での利用になるため、あまり考慮する必要はないでしょう。
液晶画面が15.6インチの大きい画面でフルHDの解像度。
映り込みが少ないノングレア液晶なのも執筆用には嬉しい所。
15インチの大きな筐体なので光学ドライブ(DVDスーパーマルチドライブ)が搭載されているのも特徴ですね。
インタフェースはUSB2.0が2つに、USB3.0(TYPE-A)が1つ。
さらにこれからの標準となるUSB3.0(TYPE-C)も1つ搭載されています。
外部ディスプレイへの出力にはD-subとHDMIの2系統が用意されています。
他に、SDカードリーダーも搭載。
必要となる端子は一通り揃っているので困ることはないかと思います。
15.6インチという大きい画面が魅力ですし、キーボードも画面サイズに合わせて大きいため打ちやすくなっています。
mouse B5-i5
予算に余裕があれば、こちらの上位機種もお勧めです。
CPUがCore i5なので執筆以外も行うメインパソコンとしても長く使えます。
その場合はカスタマイズでSSD容量を512GB以上にしてあげると、たくさんの写真、動画が保存できるようになるのでさらに使いやすくなると思います。
インタフェースはUSB2.0が2つに、USB3.1(TYPE-A)が1つ。
さらにこれからの標準となるUSB3.1(TYPE-C)も1つ搭載されています。
外部ディスプレイへの出力にはHDMIが用意されています。
他に、microSDカードリーダーも搭載。
そしてリモートワークには必需品のWEBカメラも搭載されているのでZOOMなどでテレビ会議も利用できます。
この機種は上位モデルではありますが、薄型、軽量化が図られているため、最初に紹介した15インチにはあったけど、この機種では削られているインターフェースもあります。
- DVDスーパーマルチドライブは搭載されていません。
- 外部出力はHDMI端子のみ。D-sub端子は搭載されていません。
パソコンでDVDを使用する機会はだいぶ減ったと思いますが重視している方は注意しましょう。
別売りのDVDドライブを使用する手段も取れます。
外部出力はHDMIさえ使えれば十分だと思いますが、もしお持ちの古いディスプレイを使おうとしている場合、HDMI端子がなく、D-subのみ、という場合もあります。
これからディスプレイを買う予定、または外部出力を使用しないのであれば気にする必要はありません。
軽量・薄型の14インチ
いつもは13インチのノートパソコンをここで紹介していたのですが、マウスコンピューターは13インチの筐体に14インチディスプレイを搭載するようになったので13インチノートは無くなりました。
2019年のうちは重量が約1.5kgだったのですが、14インチへ画面が大きくなったのに約1.2kgと軽量化が進んでいる所が非常に嬉しいですね。
それでは特に魅力を感じた14インチノートパソコンを紹介。
mouse X4-R5
「持ち運び」を追求した小型&軽量ボディがウリになっている14型モバイルノートパソコンです。
CPUはマルチスレッド性能に優れたRyzen 5 で非常に高速です。
メモリは8GB。これだけあれば物書きでメモリ不足に陥ることはないでしょう。
SSDは256GB。余裕のあるサイズです。
重量が約1.2kgで2019年まであった13インチのノートパソコンよりも軽量です。
それでいて画面サイズは1インチ大きいので、物書き用パソコンとして非常に魅力を感じます。
バッテリーは10時間。2019年の13インチノートが6.5時間、2020年の14インチノートが9.4時間だったことを考えるとだいぶ長くなりました。
インターフェースはUSB2.0が1つに、USB3.0(Type-A)が2つ。
さらにこれからの標準となるUSB3.0(Type-C)も1つ備えているので従来の周辺機器から最新のものまで利用できます。
ディスプレイはフルHD解像度で、映り込みが軽減するノングレア液晶です。画面を見続ける時間が長い執筆マシンとしては嬉しい所。
外部ディスプレイに出力するためのHDMI端子も備わっています。
画面上部にはWEBカメラを搭載しているのでリモートワークでテレビ会議も可能です。
Wi-Fi6対応なので、将来を見越した高速回線への対応もバッチリ。
グラフィックスにRadeon Graphicsを搭載しているので、画像編集や簡単な動画編集であれば他のノートパソコンよりもスムーズに動作するのも特徴ですね。
これだけの性能を持っているのならば、メインPCとして長く使いたくなりますね。
メインPCとして何でもかんでも使うとするならば若干気になるのはSSD容量です。
物書き用としてみれば256GBは十分ですが、写真や動画など色々なデータを保存するようになるともう少し欲しいかなと思います。
メインPCとして長く使うことを考えれば、カスタマイズでSSD容量を512GB以上にしてあげるといいかもしれません。
もちろんSSD容量そのままで、将来的に容量不足になったら外付けハードディスクを使うという選択肢もあります。
難点はこのド派手な赤色筐体でしょうかね……。
mouse X4-i5
14インチはもう一品ご紹介。
前述のド派手なカラーが気恥ずかしいという方は、こちらのノートもお勧めです。
CPUは省電力に優れた Core i5 です。
メモリは8GB。
SSDは256GB。
重量は1.13kg。
CPUと重量以外は上のマシンと一緒です。
重量は約0.07kgしか差はないので比較材料としてあまり気にする必要はないかと思います。
インターフェースもほぼ一緒ですが、どちらもSDカードリーダーが搭載されていないことに注意してください。
SDカードの読み書きには別途SDカードリーダーを用意する必要があります。
バッテリーはなんと約12時間。1日中使っても余裕がありそうです。
前述の赤いノートパソコンが Ryzen5 + RadeonGraphics でマルチスレッド性能(複数のソフトを同時に動かすことが得意)とグラフィックス性能が優れています。
こちらのノートパソコンは Core i5 で省電力に優れているためバッテリー時間が長くなっています。
どちらもお勧めできる良いマシンなので用途に合わせて選んでください。
11インチのモバイル重視
mouse C1
2018年冬を最期に長らくお勧め出来る11インチが無かったのですが、ようやくお勧め出来る機種が登場しました。
CPUはセレロン。
メモリは8GB、SSDも256GBと11インチでありながら余裕のある容量が嬉しいです。
液晶も物書きには嬉しいノングレアとなっています。
バッテリーも約7.5時間なので及第点です。
外部ディスプレイに繋ぐためにHDMI端子だけでなく、D-sub端子まで備えています。
HDMIがミニHDMIじゃなく普通サイズの端子なのも嬉しいポイント。
多くのディスプレイに対応できます。
USB3.0(Type-A)が2つにUSB2.0(Type-A)が1つ。
SDカードが読み込めるマルチカードリーダー搭載。
無線LANだけでなく、物理LAN端子も搭載されているのはこのサイズでは珍しいですね。
USB-Cが無いのだけが残念ですが、全体的にユーザーの立場に沿った非常に堅実的なインターフェースが備わっていますね。
あれ、重量が……
重量が約1.2kgとなっています。
今までであれば十分軽量と言える重量なのですが、14インチのパソコンが約1.13~1.2kgと大幅に軽量化が進んだため、11インチの方が重いという逆転現象が起きています。
14インチの方が画面が大きくて見やすいですし、キーボードも大きくて打ちやすいです。
となると、かばんのサイズが許すのであれば14インチの方がお勧めになってしまいますね……。
せっかく久々に登場した11インチですが微妙な結果になってしまいました。
これは何も紹介している11インチがイマイチな製品というわけではなく、14インチの軽量化がすごく進んでいるという結果によるものと思って下さい。
ポメラ+重量級ノートパソコンもあり
11インチを探しているならPomera(ポメラ)という選択肢もありますね。
DM200であれば重量は約580gなので非常に軽量です。
執筆用に携帯に優れるポメラを使い、自宅では重量やサイズを考慮しない大型のノートパソコンで資料集め、賞の応募、文章整形などに利用するのがいいかと思います。
ポメラがあればパソコンは携帯性を考慮する必要がなくなります。
ノートパソコンの最も売れ筋でコスパに光る商品が多い15インチから探すのがよいと思います。
ポメラについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

まとめ
この記事を最初に投稿したのが2018年でしたが、それから毎年のようにパソコンの性能が上がっていきました。
おかげでお値段そのまま、物書きスペックとしては余裕のある性能のパソコンを選べるようになったと思います。
11インチと14インチ、やはり決めては持ち運びの頻度と、移動時間の長さでしょう。
電車内で座れるのか、立ちっぱなしなのかも考慮して決める必要があります。
ただし、現在は14インチの方が軽量化が進んでいるため、かばんのサイズに問題がないのであれば14インチの方がお勧めになりますね。
自宅でしか使わないのであれば15インチの画面サイズは魅力です。
キーボードも15インチの方が大きく打ちやすいのも、文字を入力し続ける作家には見過ごせないポイントです。
それに加え、売れ筋で数が出るため11インチ、14インチよりもコスパの良さが際立ちます。
機種のバリエーションと選びやすさ、価格も安くカスタマイズが可能でありながら安心の日本メーカーだったこともあり、マウスコンピューター中心でピックアップさせてもらいました。
この記事がお役に立てれば幸いです。

