6年ぶりにストレートの折りたたみ式新型ポメラが発売されました。
私はDM200を長く使っているユーザーですので、そちらと比較しながらレビューしていきます。
- DM200ユーザーであればpomera Linkに強い必要性を感じていない限り、急いで買い替える必要はない。
- DM200未所持でDM200と迷っているならば、DM250がお勧め。
- 執筆活動にポメラが強い相棒なのは相変わらず。
ポメラの魅力に関しては別記事にまとめていますので、そちらもご覧ください。
DM250を開封
全部出した所です。
付属品
- DM250本体
- USBケーブル(C-to-A。長さ1m)
- ACアダプタ(差込口はUSB-A)
- 説明書と保証書
- キートップステッカー1枚
親指シフトや英字配列にする場合に使用します。
キー配列についてはDM200と同じですね。
電源ボタンの位置のみ左側に移動しています。
付属ACアダプタは15W出力
付属していたACアダプタは15W出力(5V 3A)でした。
DM200に付属していたACアダプタは7.5W(5V 1.5A)だったので出力が上がってますね。
USBケーブルはC to A
ケーブル長は1メートル。
ポメラ側にUSB-C、ACアダプタやパソコンへはUSB-A側を差し込みます。
端子が白いのでUSB2.0のようですね。
DM250の魅力
細かく上げると多々ありますが、ここでは私が特に魅力を感じた部分を取り上げています。
ストレージが1.3GB
正確にはメインの保存領域が1.3GB。加えてバックアップ領域が1.3GB。ゴミ箱領域が0.6GBあります。
テキストファイルしか扱わないポメラにおいて1.3GBは非常に大きなサイズです。容量不足を心配する必要がなくなりました。
ちなみにパソコンと接続した場合、マウントされるのはメインの保存領域だけでした。
1.3GBという容量について
ポメラはテキストファイルしか扱わないため1.3GBは途方も無いほど大きい容量と言えます。
ポメラが使っている文字コード UTF-8 の場合、日本語は1文字3バイトです。
ざっくり計算すると……
1.3GB = 1395864371 byte = 465,288,123文字
4億6千万文字保存できますね。
ストレージ容量を気にする必要はないと言い切っていいでしょう。
※DM250が1つのファイル内で扱える文字数は20万文字までです。
オートバックアップが安心
設定でオンにしておくと、ファイル保存時に、保存前(1つ前の状態)のファイルをバックアップ領域にもセーブしてくれます。
「あ、うっかり保存しちゃった」という時に1つ前の状態であれば戻せるということですね。
便利なんだけどもう一声…
バックアップ領域も1.3GBという途方もないサイズがあります。
だったら1つ前といわず、10個、20個とこれまでの履歴を全て保存してくれても良かったのではないか。
ファームウェアのアップデートで履歴保存を実装してくれないだろうか。
ゴミ箱が安心
うっかりファイルを削除したとしてもゴミ箱から復旧できます。
DM200は間違って削除してしまうと復旧できなかったのでこれは安心ですね。
pomera Linkでスマホと双方向通信ができる
個人的に最大の目玉と思ったのがpomera Linkです。
スマートフォン(iPhone/Android)とポメラをWi-Fi接続してファイルをやり取りできます。
pomera Link
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ポメラで保存したテキストファイルをスマホにダウンロードできるし、それをスマホで編集してポメラに送ることもできます。
旧機種であるDM200の場合、QRコードでiPhoneに文章を保存できました。しかしそれをiPhoneで編集した場合、それをポメラに直接送ることができなかったのです。パソコンかSDカードが必要でした。
※一応DM200にはpomeraSyncがありましたが、クセの強さ、ファイル数が増えると数分以上も続く同期時間、そしてエラーなどで私は使わなくなりました。
それがDM250から直接ポメラに文章を送れるようになったのがとてもいいですね。
pomera Linkの使い勝手は独特?
ポメラとスマートフォンでやり取りする場合、スマートフォンのWi-Fi接続先をポメラに変更する必要があります。
- ポメラをアプリ接続モードにする
- そうするとスマートフォンのWi-Fi接続先に「DIRECT-pomeraDM250」が現れるのでそれを選択しWi-Fiの接続先をポメラに切り替えます。
- Wi-Fiの接続先がポメラに切り替わったら、スマートフォンの「pomera Link」アプリを起動してファイルのやり取りができます。
おそらくWi-Fiダイレクトという仕組みを使っているのだと思うのですが(違うかも)、ここは素直にBluetooth接続で良かったのでは?と思います。(ポメラはBluetoothが内蔵されています)
何か技術的な都合があってWi-Fiダイレクトを使用しているのだと思うのですが、ファイルのやり取りをするのにWi-Fi接続先を毎回変更するってあまりスマートではないですよね。
ファイルは同期ではなくコピー
昨今のクラウド系ノートアプリを使っていると同期をイメージしてしまいます(最終更新日時が新しい方で上書き)が、pomera Linkで出来ることはファイルのコピーです。
例えば…
- pomera Linkで「テスト.txt」をポメラからスマホにダウンロード。
- それをスマホで編集し、ポメラに送信。
- ポメラ上では「テスト(1).txt」というファイルが追加されます。
このようにファイルの上書き保存はされずに、ファイル名に数字がついた形でコピーされることになります。
パソコンとの接続はpomera Link不可
ここはDM200と変わっていません。
パソコンとやり取りする場合、USBケーブルかSDカードを使う必要があります。
QRコードが99枚の壁を突破
ポメラからスマホへ文章を送るのはQRコードを使用することもできます。
※スマホからポメラへ送るのはDM250のWi-Fiを使ったpomera Linkのみです。
文章が多くなると沢山のQRを読まないと行けないのですが、DM200は99枚が上限でした。
DM250は20万文字のテキストもQRで送れるように99枚の上限が撤廃されています。
実際どれだけの文字数だと何枚のQRコードになるのか試してみました。ちなみにDM250、DM200、どちらも必要になるQRコードの枚数は一緒でした。
- 600文字だとQRコード1枚。(モード:pomeraQR。サイズ:大)
- 2千文字だと4枚。
- 5千文字だと9枚。
- 1万文字だと17枚。
- 10万文字だと167枚。
DM200は99枚までしかQRを作れないので10万文字は不可。
ざっくり試したところ57,960文字で97枚でした。 - 20万文字だと334枚。
5千文字以上なら素直にpomera LinkのWi-Fi接続にした方が良さそうですね。
メールの返信などちょっとした文章をスマホに素早く送るのにQRは適しています。
バッテリー残量と文字数が常に表示されるようになった
画面最下部に常に表示してくれるようになりました。
これはとてもいいですね。
私の場合、ファイルプロパティと本体情報でちょくちょく確認していたので嬉しい限りです。
静音キーボード
DM200でも打鍵音は十分小さいと言えるのですが、DM250はさらに小さくなりました。
DM200のカチャカチャ音が1段階下がったような……といえば伝わるでしょうか。
この違いは図書館など静かな場所でこそ効果を発揮しそうです。
DM200から据え置き
4つの辞書を搭載
角川類語新辞典.S、明鏡国語辞典MX、ジーニアス英和辞典MX、ジーニアス和英辞典MXの4つが内蔵されています。
辞書はDM200からそのまま続投ですね。
角川類語新辞典は第39刷が使用となっていますが、これはDM200、DM250どちらも同じです。
コピーライトの年表記を見る限り他の辞書も同じのようですね。
蓋を開けてからの復帰時間
ポメラを閉じた状態(電源オフ)から、開けた場合(電源オン)、起動するのに約6秒かかります。
DM200と並べて比較しましたがほぼ同じです。
復帰時間が早くなるのを期待してたのでここは少し残念です。
ただ電源オンにしたときの変更点としてDM250の場合、POMERAロゴが電源投入後に表示されるようになりました。(ロゴ表示も含めて6秒です)
ロゴ表示はちょっと邪魔に感じたのですが、そういえばDM200の場合、電源ボタンを押してから画面に変化が起きるまで約6秒間真っ暗なままでした。
そのため電源ボタンを押せていたのかわからなかったことが多々あり、何度も電源ボタンを押す、といったことをよくしていました。
DM250はロゴがすぐに表示されるおかげで電源ボタンが押せているのかがわかりやすくなりストレス軽減になっていますね。
そう考えるとロゴ表示は改善点の一つと言えそうです。
唯一の残念ポイント。重量は40g増
地味に重くなってしまいましたね。
スマホやタブレットと違って片手や仰向けで操作するものではないので、持ち運び時の40g増をどの程度気になってくるのかという部分ですね。
まとめ
良くも悪くも使い勝手はDM200と大差がありません。
DM200ユーザーであれば急いで買い替える必要はないかもしれませんね。
DM250の発売はポメラという製品の寿命が伸びたことが、一番の歓迎ポイントかなと思います。
進化したポイントが細かい部分ばかりなのでDM250になったから劇的に執筆環境が良くなるという感じはありません。
DM200ユーザーが一番注目しているのはpomera Linkではないでしょうか。
これまではQRコードでiPhoneに読み込めても、iPhoneで編集したものをDM200に反映させるにはパソコンが必要になってしまうのがネックでした。
それがポメラとiPhoneだけでファイルを送りあえるようになったのは嬉しいですね。
pomera Linkの使い勝手はあまりスマートな感じはしませんが、それでもパソコンが無くてもやり取りできるようになったのは魅力として大きいでしょう。
DM200とDM250、どちらを買うか迷っている方
DM200の発売は2016年10月でした。
DM250の発売は2022年7月で約6年かけて新機種が出たことになります。
※2018年にDM30という別タイプは発売されています。
このストレートの折りたたみ式ポメラの次世代機が出るのはまた6年後かもしれません。
ポメラは買ったら長く使う機種ですので、細かい部分が修正・強化されたDM250のほうが長い目で見ていいのではないかなと思います。
値段を無視すればDM250がDM200より劣っている部分は重量が40g重いという1点だけです。
今後4年、5年、と使っていくことを考えると細かい不満が対処されているDM250を買ったほうが幸せになれる気がします。
2022年7月現在はDM200がセール価格になっていますね。
ただDM200は製造終了しているので安く新品で変えるのは流通在庫限りとなります。
新品かつ価格を重視する方は今が最後の買い時かもしれません。